後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2015年4月1日水曜日

植田さん サンクリストバル


作家の植田工さんです。

福山でたくさんお話ができてわたしも武内さんも植田さんを大好きになったのですが、後頭部用の写真を送ってくださらず、無理に買わせてしまったかなあ、催促するのもうっとおしいかなあと思って長らくふさぎこんでいたのでした。
でも勇気を出してコンタクトを試みたら送ってもらえて、よかったー!
隣にいるの奥さまかな! 美人だね! とはしゃいだら、武内さんが「これ清川あさみだよ。」と言うのでのけぞりました。わたしは中高生の時にzipperとか読んでいたのですごい、なんで武内さんが平然としているのかわかりませんでした。そしたら「オープニングで見たことあるんだ」とか言っていて、武内さん尊敬した。

描けました。
首筋のあたりをソフトなタッチで執拗に攻められるのが気持ち悪かったです。

旅の指差し手帳を使ってコミュニケーションを図りました。
武内さんはこの本の作者にも会ったことがあるそうで、会ったことない人のほうが少ないんじゃないの? と思いました。

ピンクのランニング姿になった通称「オカマ」は、指差し手帳に出てくる単語とイラストにどっかんどっかん笑っていて、彼を見ているだけでこちらも最高にたのしくなりました。


植田さんはちんこがすごい好きな人なんですよ、とか、もっと後頭部の詳しい人物紹介をしてオカマを笑わせたいなあと思いました。

オカマが自身のトランスジェンダーを誇りにしていて、周囲もそれを当然のように受け入れているのが気持ち良く、明るい教室でした。

今晩の宿を見つけに、バスでサンクリストバルまで行きます。
後頭部の顔が消えないよう、「背もたれに頭をつけちゃだめだ」と眠りの底で思いながらも体は意志通りには動かず、がんがん寝返りをうちながら寝入ってしまいました。

降りると、外は小雨まじりのお天気です。
サンクリストバルは美しさで名高い観光地で、周囲を山に囲まれているそうです。


おいしいタコスやさんに連れて行っていただきました。
ケバブのお肉を削っている調理師の方が、お肉の上に突き刺さっているパイナップルをシュッとスライスしてパッと手元のトルティーヤで受け止めるのが、目にも止まらぬ早業で感心しましたが、だけどよく見るとけっこうな高確立でしくじっており地面にパイナップルの輪切りが無惨に散乱していました。

後頭部の薄れた顔を、武内さんがなぞって再生してくれました。
それではいただきます!





大皿に出てきた二種の具材と様々なトッピングとを自由に組み合わせ、好みのタコスを頬張ります。友だちの誕生会の手巻き寿司パーティーみたいで、わいわいみんなでご飯を食べるのはたのしい時間でした。

オルチャタというお米の甘い飲み物を飲みました。
甘酒に似ていておいしいです。
後日、日本に帰ったら2015年はライスミルクブームという盛り上がりが一部であって、本場で飲んだ! という優越感でほくそ笑みました。

おいしかったです。
ごちそうさまでした!

濡れた路面に黄色い光が踊っています。
つるつる滑る石畳の危なっかしさも、気持ちを高揚させました。


皆でおしゃれなカフェに行きました。



以前福山でも、植田さんと、すっごくおしゃれなカフェに行ったのです。

おしゃれ店内で植田さんは、こういう顔で延々下ネタを話されていたのですが、ひたすらおかしいだけで嫌な感じをまったく与えないのが熟練の技でした。

こちらのカフェでは、ハンチング帽を被ったおじいちゃんが、宇宙についての壮大な話を、壮大なテンポで朗々と吟じておられ、睡魔と戦う武内さんがかわいそうでした。

話の内容はよくわかりませんでしたが、堂々とした声色で目をきらきらさせて話しておられるおじいちゃんの人となりに、わたしは興味を引かれました。
しかし誰よりお酒を飲んで、それでいてお会計の時にはしれっと知らんぷりを決め込んでいたので、あれ? 詩人じゃないのかな……? 見る目が変わりました。

わたしたちはレモンのアイスとチョコレートのアイスを食べました。
なめらかで恍惚としました。
後頭部の植田さんも、ちょっと舌を出してアイス顔でした。
ごちそうさまでした!

もう0時を過ぎました。
人のいなくなった夜の通りを、先輩の勘をたよりに歩きました。

目的のゲストハウスに着きました!
先輩すごいです。
すごいなあと思っているのに、自分で「すごいやろすごいやろ」とおっしゃるので、つい「すごい」と言いそびれました。

夜中に到着したのですがスタッフの方が起きて対応して下さいました。
我々の後に到着したバックパッカーもいて、グアテマラから来たのだと見せてくださったのがこちらの人形です。
かわいい顔に股間がちゃんとしているのが愛らしいです。

ドミトリーでしたが、ぐっすり寝られました。



早起きして、朝の散歩をしました。

この街とても好きだな。
目に入るもの全部にため息が出ました。

道がアスファルトじゃないのが景観に大きく貢献していると思います。

トラックの中でお肉をさばく、必殺仕事人の仕事ぶりも見学できました。


早朝からお店が開いていて、みんな働き者です。


植田さんはメキシコ行ったことあるっておっしゃっていましたが、ここじゃないといいなあと思いました。
ここサンクリストバルは、現在最も好印象の街です。
植田さんといっしょに旅ができてたのしかった!
ありがとうございました!!