後頭部ビジネス

若木くるみの後頭部を千円で販売する「後頭部ビジネス」。
若木の剃りあげた後頭部に、お客さんの似顔絵を描いて旅行にお連れしています。


*旅行券の販売は現在おおっぴらにはしていません。*

2017年11月15日水曜日

メロス/バルス

スパルタスロンは、実際のレース中だけでなく、レース前後の食事や宿泊の手配まですべてパックされているすばらしい大会です。
帰国の日、わたしたちの飛行機は夜出発する便ですが、ホテルの部屋は午前中にチェックアウトしなくてはなりません。朝、これで最後になるホテルのバイキングを、胃に3食分貯蓄する勢いで食べました。

それでも夕方頃にはおなかがすいて、あきちゃんがエイドに預けた補給食の残りなどをせっせと片付けました。
なんかあきちゃんけっこう変なもの預けてた。賞味期限切れのくりまんじゅうとか。
聞くと、友人の義母(93歳)からのいただきものだそうで、「お義母さんもまさか、くりまんじゅうが海を渡ってギリシャのマラソン大会中に食べられるとは思わないだろうなあ〜」と、よくわからない感慨に浸っていました。


エイドの話だと、あきちゃんは「ナトリウム取れだとかカリウム取れだとかミネラル取れだとか言われても」、意味不明だそうで、「食べものの名前で言ってください!」って思うそうです。「知ってる単語で言えよ」って。じゃあ言うけど、「塩とか塩とか塩とか」だよ! 塩と水さえ摂っときゃいいんだよ!

わたしは前々からサプリや機能性食品の素晴らしさについていけずに完全に時代から取り残されているのですが、科学や技術が肌に合うか合わないかって、人によって様々じゃないかなあと思いました。
例えばメロスは、どんなハイテクアイテムを使ったとしても、友だちの命がかかっていなければやっぱりあんなに速くは走れなかったと思うんです。メロスに必要だったのは、栄養補助食品でも高機能ウェアでも最先端シューズでもなくて、「友だちが待ってる」っていうただその一念だけだったはずだから。

……でも、友だちの存在に加えてサプリとかもあったら、もしかしてもっと楽に走れたかもしれないですよねーメロス。
だからわたしも、キャラじゃないとか言ってないで、この時代だからこそ得られるありがたい恩恵にもっとすがるべきなんじゃないかと思いました。非科学的な、説明できない人間のパワーを信じるのもけっこうだけど、進化した文明を頭ごなしに否定するのもそれはそれで謙虚さに欠ける気がしてきました。
なんかメロスの話が全然生かされない結論になってしまって、書きながら当惑している自分です。

実を言うとちょっとうらやましかったんです……、今回、まわりの方のちゃんとした装備が。
数年前に購入したコンプレッションウェアのコンプレッション(締め付け)機能がいまやすっかりなくなって、ただのロンTとただのタイツに成り下がっており、その伸び伸びの白いタイツが開始直後からずり落ち始め、股ぐらが常に股のかなり下のほうにありました。気持ち悪かった。
ただしその隙間が収納スペースとして使えたので、緊急時のティッシュを忍ばせておくのには便利でした。

って、なぜいつも最初に言い出したことから逸れて着地しちゃうんでしょう……。
バルス。(リセットしたいときの呪文)